目の障害
視野障害
視野障害とは、半盲症、視野狭窄や視野変状、暗点等の視野が狭まってしまう後遺症が残存したことをいいます。
本稿では、独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度に定められている障害見舞金の後遺障害について解説します。
1.後遺障害等級表
第9級の3 | 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの |
第13級の2 | 一眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの |
第14級準用 | 視野の中心部に暗転が存する場合等、視機能を相当程度妨げると認められるもの |
2.等級認定上の注意点
⑴「視野」の意味と測定方法
視野とは、眼前の一点を見つめていて、同時に見得る視界の広さのことをいいます。
視野の測定は、ゴールドマン型視野計によることとし、V/4指標による8方向の視野の角度の合計が正常視野の角度の合計のほぼ60%以下になった場合「半盲症」、「視野狭窄」及び「視野変状」といいます。
⑵半盲症
「半盲症」とは、視神経繊維が、視神経交叉又はそれより後方において侵されるときに生じるものであって、注視点を境界として、両眼の視野の右半部又は左半部が欠損するものをいいます。両眼同側の欠損するものは同名半盲、両眼の反対側の欠損するものは異名半盲といいます。
⑶視野狭窄・視野変状
「視野狭窄」とは、視野周辺の狭窄であって、これには求心性狭窄と不規則狭窄とがあります。
また、「視野変状」には、半盲症、視野の欠損、視野狭窄及び暗点が含まれていますが、半盲症及び視野狭窄については、障害等級表に明示されていることから、ここにいう「視野変状」は、暗点と視野欠損をいいます。
⑷暗点
暗点とは、生理的視野欠損(盲点)以外の病的欠損を生じたものをいい、中心性漿液性脈絡網膜症、網膜の出血、脈絡網膜炎等に見られます。
なお、後遺障害として採用される暗点は絶対暗点に限られます。V/4指標では検出できないものの、より暗い又はより小さい指標を用いれば検出されるような暗点である比較暗点は採用されません。